Last Update 2012.6.1
     
  ●切符のメッセージ: 切符が発信する情報量は多く,当時のことを想うことができます。

  この切符は,近畿日本鉄道(近鉄)の前身である大阪電気軌道(大軌)の乗車券です。
  1939年/昭和14年5月7日,大軌奈良駅発行の大軌奈良から大阪・上本町ゆきの乗車券です。運賃は48銭です。

  大軌は,鉄道会社の設立,合併を重ねて,近鉄になりました。
  大軌から近鉄に至る過程では,多くの鉄道会社(参急,関急,大鉄ほか)が関係しました。
  これら鉄道会社の切符を収集したいと思います。


 ●大軌の歴史
  1910年/明治43年,大阪-奈良を結ぶ奈良軌道が設立,同年,同社は大阪電気軌道(大軌)に改称しました。
  大軌は,当時日本2位の生駒トンネル(3388m)を開削,1914年/大正3年,上本町-奈良(30.8km)を開業しました。
  大軌は,その後,奈良盆地内に路線を拡張しました。
  大軌は,1927年/昭和2年,子会社の参宮急行電鉄(参急)を設立,宇治山田,津に路線を延伸・開業しました。
  参宮急行電鉄は,1936年/昭和11年,伊勢電気鉄道(伊勢電)を合併し,名古屋への延伸を進めました。
  大軌は,関西急行電鉄(関急電)を設立,
  1938年/昭和13年,関急電は,名古屋延伸を実現して,大阪・上本町-名古屋(189.5km)が全通しました。
  1941年/昭和16年に,大軌と参急が合併し,関西急行鉄道(関急)に改組しました。
  関急は,1943年/昭和18年,大阪鉄道(大鉄)を合併しました。
  1944年/昭和19年には,戦時統合で,南海鉄道と合併して,近畿日本鉄道(近鉄)が誕生しました。

     大軌・参急電車・沿線案内

 ●1938年/昭和13年発行の大軌(大阪電気軌道)と参急(参宮急行電鉄)の沿線案内図です。