Last Update 2013.9.1
       
  ●切符のメッセージ: 切符が発信する情報量は多く,当時のことを想うことができます。

1965年/昭和40年5月19日発行 5月19日白浜1331発 第3きのくに 準急行券・座席指定券


  
この切符は,1965年/昭和40年5月19日,白浜1331発の第3きのくにの準急行券・座席指定券です。

  きのくには1958年/昭和33年,天王寺-白浜口(現 白浜)を全車座席指定席の準急として運行を開始しました。
  翌年には,南海電鉄難波発着編成を連結した毎日運行の臨時列車1往復が増発されました。
  その後,1966年/昭和41年の準急制度改変に伴い,急行に格上げされました。

  国鉄は,戦前と戦後の一時期に,準急を運転しました。
  最初の準急は,1926年/大正15年に,東海道本線の東京-名古屋,名古屋-神戸に運行されました。
  当時の準急は,比較的長距離を,運賃以外の料金が不要な現在の快速に相当する列車でした。
  戦前の準急列車は運賃のみで乗車できましたが,戦後は準急料金が必要でした。
  このため,戦前に準急行券はなく,準急行券の発行は戦後からになります。

  1937年/昭和12年の日中戦争開戦後,戦時体制が強まり,準急は廃止されました。
  戦後1946年/昭和21年,急行として運転するには設備・車両が不十分である理由から再び準急が登場しました。
  この時から準急料金が設定され,準急行券の発行が始まりました。

  1966年/昭和41年,準急行券の販売を営業キロ100kmまでに制限,額をその距離の急行料金と同額にしました。
  また,準急行券での急行の利用(100km以下の利用),急行券での準急の利用を可能にしました。
  これにより100kmを超えて走行する準急はすべて急行になりました。
  1968年/昭和43年のダイヤ改正で,すべての準急が急行に統合され,国鉄の準急は消滅しました。

  国鉄の準急行券は,1946〜1968年/昭和21〜43年発行に限定されます。


 

準急行券

1954年/昭和29年10月4日
3等150kmまで
甲府から乗車

甲府駅 昭和29年10月4日発行
3等 60円

準急行券

1956年/昭和31年2月3日
2等150kmまで
御坊から乗車

御坊駅 昭和31年2月3日発行
2等 140円

準急行券

1959年/昭和34年11月21日
3等600kmまで
広島から乗車

広島駅 昭和34年11月21日発行
3等 180円

準急行券

1964年/昭和39年6月30日
1等
大阪から乗車

大阪駅 昭和39年6月30日発行
1等 220円

準急行券

1965年/昭和40年8月25日
1等
長野から乗車

長野駅 昭和40年8月25日発行
1等 220円

準急行券

1966年/昭和41年5月14日
2等
岡山から乗車

岡山駅 昭和41年5月14日発行
2等 100円