Last Update 2023.6..1
     

  電車・気動車の側面に付けられた差込式行先版です。
  行先版は,サインボードの略として“サボ”と呼ばれていました。
  行先板には,差込式,落しこみ式,吊下げ式があります。
  差込式は,車輛端部(ドア付近)のサボ受けにスライドして使用されました。

  行先版は,方向幕(手動→電動)からLED式に進化しており
  現在では,ほとんど見ることはありません。
  行先板全盛期のターミナル駅のホームには行先板を並べた棚があり,
  折り返し列車の“サボ”を付け替える作業が繰り広げられていました。

  行先板は耐久性から琺瑯が多く採用され,
  行先板の表示方法,字体,製法(彫り字/浮き字)などの仕様が
  地域,製造時期で異なっていました。
  例えば,字体には楷書体,ゴシック体,丸ゴシック体がありました。
  晩年はプラスチック製が多く使用されたようです。

  この行先板には,向日町運転所,新大阪行/大分行と表示されており,
  新大阪-大分間の475系急行“べっぷ”に使用されたものと推測します。

大阪鉄道管理局・向日町運転所 新大阪行表示
大阪鉄道管理局・向日町運転所 大分行表示
多様・多彩な差込式行先板/サボ