Last Update 2008.9.1
     
 単線区間では,列車の正面衝突や追突を防止のため,
 タブレットを使って,列車を運行していました。

 タブレットは,特定形の穴が開いた真鍮円盤です。
 タブレットを皮革キャリアに入れて,
 車輌(運転員)と駅(駅員)の間で,授受しました。

 通過列車のタブレット授受は,迫力がありました。

 左の写真は,
 寝台特急“出雲”のタブレット交換シーンです。

 これまでの区間のタブレットを駅に返すところです。
 このタブレットは,停車中の普通列車に渡されます。
 “出雲”は,この先(ホームの端)で,
 普通列車が返したタブレットを受取って,
 次の区間に進んでいきます。

 現在は,殆んどの線区が自動化され,
 タブレットの授受は珍しくなりました。
 タブレットは,
 中央の穴の形状で,
 区間を特定します。

 円・四角・三角・楕円の4種類の
 タブレットが
 基本になっています。
  
  円穴   第一種
  四角穴  第二種
  三角穴  第三種
  楕円穴  第四種
  

 タブレットは,
 革製のキャリアに入れて
 授受されます。

 タブレットの大きさは,
 直径100mm 厚さ8mmです。
  
 キャリアは,
 タブレットを収納する革製の袋を
 環状のワイヤに取り付けてあり,
 確実に授受できるように
 頑丈に作られています。

 ワイヤ環は,
 革が巻かれていますが,
 厳しい使用環境のため,
 白いビニールテープを
 重ねて巻いて補修されています。  
  上の写真は,土讃本線の石灰専用列車が斗賀野駅を通過するところです。
  ホームの端のタブレット・キャリアを,DF50の機関助手が腕を伸ばして受取るシーンです。

  機関車,気動車には

  タブレット・キャリアを受取るキャッチャが
  取り付けられており,
  キャリアのワイヤ環を引っ掛けて,受取っていました。

  左の写真は,
  キハ55に取り付けられたタブレット・キャッチャです。

  タブレットを受取るときは,
  キャッチャの腕部を伸ばした状態にして,
  ホームにセットされたタブレット・キャリアのワイヤ環を
  引っ掛けて,回収します。