Last Update 2011.6.1
       
 

  戦前・戦後の電車の運転台の側には,
  船の舵輪のような円形のハンドルがありました。
  これが,手ブレーキ(側ブレーキ)ハンドルです。

  電車のブレーキは,
  運転台にあるブレーキ・ハンドルやレバー,ペダルを用いて
  空気圧で操作しますが,
  戦前・戦後の電車は,手ブレーキ・ハンドルを手で回すことでも,
  人力でブレーキを掛けることができました。
  自動車のハンドブレーキと同じです。

  手ブレーキは,1980年代頃に規制が緩和され,
  空気ブレーキを持つ電車では省略されるようになりました。
  現在の電車に手ブレーキを見ることはありません。

  戦前・戦後の電車の手ブレーキ・ハンドルには,
  真鍮製のものがありました。

  この手ブレーキ・ハンドルは,阪急電鉄デイ100形のものです。

  手ブレーキ・ハンドルは,昭和の電車を象徴するアイテムでした。



 



阪急電鉄“デイ100形”は,
阪急電鉄・京都線の前身である新京阪鉄道が,
1927〜29年/昭和2〜4年に製造した電車です。

軽快感と重量感のバランスの良い電車として,
電車ファンの人気を集めました。

撮影 1972  阪急デイ100形  阪急梅田