Last Update 2015.9.1
       
  ●切符のメッセージ: 切符が発信する情報量は多く,当時のことを想うことができます。

1952年/昭和27年12月25日上野駅発行 東京都区内から東海道線経由大阪市内ゆき 3等 770円

  この切符は,1952年/昭和27年12月25日,上野駅発行の東京都区内から大阪市内ゆきの3等乗車券です。
  この乗車券の書式は発着駅を・・・から・・・ゆきと記載する一般式で,サイズは30mm×57.5mmのA型です。


  昭和27年当時の東京都区内から大阪市内ゆきの3等運賃は770円でした。

  戦後における東京都区内から大阪市内ゆきの運賃の変遷を表Aに示しました。
  昭和25年当時,運賃は1等,2等,3等に区別され,2等運賃は3等運賃の2倍,1等運賃は3等運賃の3倍でした。
  昭和20年代は激しいインフレが続き,運賃も大幅に上がりました。
  昭和35年,東海道本線の特急つばめ・はとの電車化による1等展望車の廃止により,
  3等が廃止になり,これまでの旧2等が1等,旧3等が2等になりました。
  このころから国鉄は赤字になり,運賃の改訂が続き,運賃は上がり続けることになります。

  昭和44年に,等級制が廃止になり,旧2等は普通になり,旧1等にはグリーン料金を加算することになりました。
  このため,乗車券の等級記載はなくなり,現在に至っています。

  国鉄の経営難はその後も続き,国鉄民営化の昭和62年まで,毎年のように運賃・料金が上がりました。

  こうした運賃の変遷を乗車券に見ることができます。
  現在(2015年/平成27年)の東京都区内から大阪市内ゆきの運賃は8750円です。


表A 東京-大阪間運賃の変遷   単位: 円
等級 1950 1956 1958 等級  1960 1966 区分 1969 1974 1980 2009 2015
昭25 昭31 昭33 昭35 昭41 昭44 昭49 昭55 平21 平27 
1等 2480 4160 4560  
2等 1240 2080 2280 1等  2170 3180 グリーン 
3等 620 870 990 2等  1180 1730 普通 2230 2810 5700 8510 8750

 

一般式乗車券A型

大阪市内から東京都区内ゆき

大阪駅 1957年/昭和32年10月25日発行
3等 990円

一般式乗車券A型

東京都区内から大阪市内ゆき

東京駅 1963年/昭和38年9月19日発行
2等 1180円

一般式乗車券A型

東京都区内から大阪市内ゆき

大井町駅 1965年/昭和40年5月28日発行
1等 2170円

一般式乗車券A型

東京都区内から大阪市内ゆき

池袋駅 1968年/昭和43年11月9日発行
2等 1730円

一般式乗車券A型

東京都区内から大阪市内ゆき

東京駅 1970年/昭和45年8月29日発行
2230円

一般式乗車券A型

東京都区内から大阪市内ゆき

千駄ヶ谷駅 1975年/昭和50年6月5日発行
2810円