Last Update 2020.6.1
     
TOPICS
大阪電気軌道・参宮急行電鉄の時代
大軌の拡大  戦前昭和の沿線案内  参急2200・大軌1400電車
参宮急行電鉄2200系(2239) 近鉄に移行しても急行運用に活躍 1973 大和高田〔近畿日本鉄道 大阪線〕


  関西の大手私鉄である近鉄,阪急,阪神,京阪,南海の前身は,
  明治期に設立され,路線の開業・延伸を続け,
  戦前には,ほぼ現在の路線網を完成しています。

  大正期,京阪電気鉄道は,新しい鉄道コンセプトとして高速都市間連絡を掲げ,
  新京阪鉄道を設立,昭和3年に天神橋-西院(現 阪急/京都本線)を開業しました。
  新京阪電鉄は,当時の最高水準の技術で日本最強高速電車P-6を開発,
  天神橋-京阪京都を34分で結ぶ超特急を運転しました。
  東海道本線との並走において,特急“燕”を抜いた逸話があります。
  当時,京阪電気鉄道は,名古屋延伸を計画していました。

  また,京阪電気鉄道が起業参加した阪和電気鉄道も,
  大阪-和歌山間に,南海鉄道に並行して,同コンセプトで建設され,
  昭和5年,阪和天王寺-阪和東和歌山(現 JR西日本/阪和線)を全線開業,
  大型高速電車モヨ100形・モタ300形を投入し,
  大阪-和歌山間に45分ノンストップ超特急を運行しました。

  大阪電気軌道は,昭和2年に参宮急行電鉄を設立し,
  昭和5-7年に,桜井-参急中川-宇治山田,参急中川-津を開業,
  昭和7年には,日本最大級21mの長距離用電車2200系を投入し,
  上本町-宇治山田を2時間1分で走破する特急運転を開始しました。
  昭和11年に伊勢電気鉄道を合併,
  同年,関西急行電鉄を設立して,昭和13年に名古屋乗入れを実現しました。
  上本町-名古屋を大軌・参急・関急電3社接続し3時間15分で結びました。

  近鉄の前身である大阪電気軌道は,電鉄会社の吸収合併を繰り返し,
  大阪,奈良,京都,吉野,宇治山田,名古屋に路線を伸ばし,
  2府4県に跨る,路線網500kmを超える大私鉄に成長しました。

関西大手5私鉄  昭和初期の会社名 創業時の会社名 創業年
近畿日本鉄道 大阪電気軌道  大阪電気軌道 明治43年
阪急電鉄 阪神急行電鉄  箕面有馬電気鉄道 明治40年
阪神電気鉄道 阪神電気鉄道  阪神電気鉄道 明治32年
京阪電気鉄道 京阪電気鉄道  京阪電気鉄道 明治39年
南海電気鉄道  南海鉄道 阪堺鉄道 明治17年
昭和15年10月1日発行の時間表
関西私鉄広告

  時間表は当時の時勢を反映しています。
  太平洋戦争に突入する前年,昭和15年の時間表です。
  この年,日独伊三国同盟が調印されるなど,戦時体制が色濃くなったときでした。

  時間表の裏表紙には,大軌参急電鐵の整地参拝・航空日本大展観の一面広告,
  広告欄には,
  大軌参急電鐵,阪急電車,阪神電車,大鐵電車,阪和電鐵,南海電車,京阪電車の
  当時の関西大手私鉄7社が揃って広告を掲載しています。

 

  戦前の私鉄各社の沿線案内をヤフーオークションで落札。
  沿線案内には神社・仏閣・遊園地を紹介し,鉄道利用を促しています。

  昭和モダンなデザイン,右横書き文字,路線鳥観図など昭和レトロを満喫できます。
  沿線案内を眺めることで,戦前の鉄道にタイムスリップできそうです。


京阪電気鉄道の京阪線と新京阪線

京阪電車・沿線案内
京阪線/宇治線/京津線/大津線・新京阪線/嵐山線/千里山線/十三線(現 阪急線) 昭和6~18年


阪和電気鉄道

阪和電鉄・沿線案内